2019年1月29日火曜日

てりおす、エステに行く。

昨夜、星がひときわ輝いて見えた。
てりおすと再会した。
元気そうだった。

てりおすは、泊りがけでエステに行っていた。
廃車になるのに無駄だ、という意見もあるかもしれないけれど
自分なりにありがとうさようならを言いたくて
徹底的に綺麗にしてもらうことにした。

自分じゃできない部分もこの際してもらいたくて
プロにお願いした。

FAXDMの紙面作成も自分で経験しているサービスや商品だと書きやすい。
この際、経験を増やしてみよう。
そんな理由もあった。

てりおすは、しゃんとして私を待っていた。
外側も、内側も、最大限、ピカピカになっていた。

塗装が剥げたりして、手の施しようがないところもあり
新車以上に綺麗!
ではなかったけれど
難しい条件の案件を引き受けてくれたお店に感謝した。

出来る限りでいいのだ。

ほんの数日間なのに、もうずいぶん会っていない気がした。
しばらく空っぽだった駐車場。
2月末で解約の駐車場。

今日はこれから、ふたりでそこに戻るのだ。

今回のエステは、いつもの車屋さんではなく別のところにお願いした。
車両清掃のプロである感じがしたし、近所だったのだ。
こういう点も、選ばれる理由の大事な部分なのだとあらためて思った。

いつもの車屋さんは、車のプロではあるけれど
清掃というよりは、整備のプロという印象がある。
それに、今となっては遠方なので依頼しづらい。
もう、なんども電話をしてしまったし・・・。

それから、てりおすはそんなに遠くに行けないから
引き取りに来てもらおうとしているのだ。
だから、こちらから行って車両清掃というのは難しい話だった。

その車屋さんからは、しばらく連絡が無い。
2名で引き取りに来てくれるとのことで、人員を手配中とのことだった。

てりおすとのお別れは、複雑な気分で、できれば2月末まで
あるいはもっとずっと一緒に居たいという思いも
正直なところ少なからずある。 今でも。

だから、なかなか手配されないのは、ある意味好都合だった。

最後の時間をうんと楽しむのだ。
想い出づくりをするのだ。

その、想い出づくりのひとつが、エステだった。

てりおすは綺麗にしてもらって嬉しいのか、テンションが高めだった。
アイドリングの感じが、いつもと違う・・・
走り方も、いつもと違う・・・

整備はしてもらわなかったはずなのに、どうしたのだろう?
あのお店、内緒でオマケで整備もしてくれたのかしら?

私もなんだか嬉しかった。
いつ連絡が来て本当のサヨナラになるのかわからないけれど
残り1か月ほど、てりおすと暮らせる。

てりおすは、あるいは自分自身かもしれない
と私は思った。

私は、今まで自分自身をほったらかしにしていた。
ちゃんと、世話をできていなかった。
セルフネグレクト・・・。

てりおすの床には、水色の粉が残ったままだった。
いつか、かつての職場で模型を作った時の材料の粉。

材料費、自腹だった。
時間も、持ち出しだった。
完成しても、嬉しくなかった。

全部自分で用意しても嬉しい何かをしたいと思っていた。

私はあの時の自分を清算できないでいた。
ずっと、ひきずったままだった。

他にも、気になりつつもなにもしていなかった箇所が多数。

このまま廃車にするわけにはいかなかった。
いつもそばにいて、私を助けてくれた私の一部を、私の過去を
アーカイブ化したかった。

私はようやく気付いた。
てりおすを徹底的に綺麗にすること、
これは、私のわくわくのひとつなのだと。
密かにバケットリスト入りしていたのだと。

いつだってできたはずなのに、ずっとしていなかった。

いよいよ、実行に移す時が来た。

というわけで、てりおすをエステに送り出したのだ。

水色の粉は、きれいさっぱり消えていた。
さすが、プロ。

てりおすはあと1か月くらいだけれど
私だってもしかしたらあと1か月で死ぬかもしれない。
人生、何があるかわからないのだ。

今までの時代にきちんとサヨナラを言うことで
残りの時間を悔いなく過ごせそうな気がした。

上機嫌のてりおすと走りながら
最後の最後には、自分でできる範囲であらためて掃除しよう
と思った。